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内科・生活習慣病

内科一般

内科一般

発熱、風邪、インフルエンザ、咳、痰、のどの痛み、胃腸炎(腹痛、下痢、嘔吐)、肺炎などの急性疾患や生活習慣病(糖尿病や脂質異常症、高血圧症など)など、地域のかかりつけ医として内科一般の診察も行なっております。
急な体調不良や生活習慣病などの慢性疾患などお気軽にご相談下さい。

インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス、あるいは人から人へと感染する感染症などが強く疑われる場合には、クリニック別館(隣ビル)の第3診察室にて検査・診察を行います。
他の患者様へ感染拡大しない様に入口から分けており、環境整備を万全にしておりますので安心してお越しください。

以下のような症状の方はご相談ください。

倦怠感
発熱
風邪の諸症状
咳、鼻水、のどの痛み
動悸・息切れ
胸やけ
胸が痛い、圧迫感がある
腹痛
下痢
嘔吐
食欲不振
立ちくらみ
むくみがある
尿に異常がみられる(出にくい、近い、量が多い、血が混じる) など

高脂血症・脂質異常症・糖尿病・心房細動

脳卒中を起こす危険因子には疾患として
①高血圧、②脂質異常(コレステロールが高い、中性脂肪が高い)、③糖尿病といったメトボリックシンドローム、特殊な不整脈としての④心房細動があります。

また生活習慣としては肥満、喫煙、大量の飲酒などが原因となります。

高血圧症

心臓から送り出された血液が、血管の壁を押す力が「血圧」です。この血圧が一定以上に高い状態が「高血圧」と言います。人は血管と共に老いると言いますが、その重要な指標となるのが血圧です。血圧のコントロールには食事、運動などの健康的なライフスタイルをしっかり身につけることが重要なのです。つまり、「自分自身が主治医」という意識と、正しい知識、さらに日々の実践が欠かせません。

高血圧症の原因には遺伝的な要素もありますが、環境的な要素が大きく、ライフスタイル改善が重要となります。
塩分制限
肥満予防
適度な飲酒
適度な運動
ストレス管理
禁煙
カリウム摂取
血圧管理目標
「正常血圧」は120/80 mmHgと定義されています。高血圧の基準は従来通りの140/90mmHg以上とする一方、降圧目標は75歳未満では130/80mmHg、75歳以上では140/90mmHg未満と厳格化しています(高血圧治療ガイドライン2019)
  診察室血圧
(mmHg)
家庭血圧
(mmHg)
75歳未満の成人
脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし)
冠動脈疾患患者
慢性腎不全(蛋白尿陽性)
糖尿病患者
抗血栓薬服用中
(抗血小板薬、抗凝固薬)
< 130/80 < 125/75
75歳以上の高齢者
脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈
閉塞 があり、または未評価)
慢性腎不全(蛋白尿陰性)
< 140/90 < 135/85
上記厳格管理下による治療と通常治療とを比して、厳格な降圧により血管イベントの抑制が見られた事によります。

脂質異常症

脂質異常症(高コレステロール血症)は脳梗塞の危険因子であることが報告されています。
血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール;LDL-C)や中性脂肪(トリグリセリド;TG)が必要以上に増えるか、または善玉コレステロール(HDLコレステロール; HDL-C)が減った状態のことを「脂質異常症」と言います。
総コレステロールから善玉コレステロール(HDL-C)を除いた”non-HDLコレステロール“の値が脂質異常症の診断基準として注目されています。

non-HDLコレステロール=総コレステロール−善玉コレステロール(HDLコレステロール)では、血液の中のコレステロールはどこから来るのでしょうか?それは主に2つの経路があります。1つ目は食べ物に含まれており、食事によって小腸から「吸収」される外因子です。2つ目は自らの肝臓で作られるものでコレステロール「合成」の内因子です。血液中のコレステロールはこれらの「吸収」と「合成」により存在します。

適度なコレステロールは細胞を形成する成分として必要な物質ですが、過剰な状態が長く続くと動脈硬化の原因となります。痛い、痒いなどの自覚症状がないため、放置しておくと動脈硬化が進行し「脳梗塞」を引き起こす原因となります。
では、コレステロールの管理目標は皆さんが同じなのでしょうか?実はそうではありません。その人の持つ危険因子や今までの病気(既往歴)」によって厳格に区別されています。
管理目標は以下の表の様になります。
治療方針の原則 カテゴリー LDL-C以外の
主要危険因子
脂質管理目標値(mg/dl)
LDL-C non-HDL-C TG HDL-C
一次予防
生活習慣の改善を行った後、薬物療法の適応を考慮する
低リスク群 0 < 160 < 190 < 150 ≧40
中リスク群 1~2 < 140 < 170
高リスク群 3以上 < 120 < 150
二次予防
生活習慣の改善とともに薬物療法を考慮する
冠動脈疾患の既往 < 100 < 130
LDL-C値以外の主要危険因子
加齢(男性≧45歳・女性≧55歳)
高血圧
糖尿病(耐糖能異常を含む)
喫煙
冠動脈疾患の家族歴
低HDL-コレステロール血症;< 40mg/dL
脳梗塞、糖尿病、閉塞性動脈硬化症の合併は高リスク群とする。

コレステロールが高いと言われたら

食事療法
運動療法
薬物療法
脳梗塞を発症した患者さんで脂質異常症がある方の20%近くに、「家族性高コレステロール血症」が隠れているとも言われております。「家族性高コレステロール血症」は遺伝的にコレステロールが高くなる病気で若い時から動脈硬化が進んで血管が狭くなったり詰まってしまったりします。 この方々は食事療法や運動療法だけで脂質異常を改善することが非常に困難であり、薬物療法が必要となります。

処方される主のお薬

脂質異常症の治療薬は大きく8つに分類されますが、脳神経外科領域で汎用するお薬は主に4種類です。

HMG-CoA還元酵素阻害剤
HMG-CoA還元酵素はHMG-CoAをコレステロールの原料となるメバロン酸へと変換する酵素です。この酵素を阻害することにより、コレステロールの生合成を低下させると共に肝臓において悪玉コレステロールの受容体(LDL-C受容体)の発現を促進する事により、血液中のコレステロールの値を減少させます。

「スタチン」と称されます。作用の強さ(主にLDLコレステロール低下の度合い)が比較的マイルドな「スタンダードスタチン」、それに比べ作用が強い「ストロングスタチン」があります。重篤な副作用として横紋筋融解症があります。このため服薬中に筋肉痛が無いかを定期的に確認する必要があります。また、肝機能障害が見られることがあります。

★スタンダードスタチン
プラバスタチン:メバロチン
シンバスタチン:リポバス

★★ストロングスタチン
ロスバスタチン:クレストール
ピタバスタチン:リバロ
アトルバスタチン:リピトール

フィブラート系薬
肝臓での中性脂肪合成を抑制すると共にリポタンパク質リパーゼを活性化させることで血中の中性脂肪値を低下させます。この薬剤も重篤な副作用として横紋筋融解症があります。

クロフィブラート:ビノグラック
ベザフィブラート:ベザトールSR
フェノフィブラート:リピディル

EPA製剤
EPAとはイコサペント酸のことです。脂質合成を抑えたりトリグリセリド(中性脂肪)の分解を促進する作用などにより、血液中の資質などを改善します。イワシなどの青魚に多く含まれる成分で私たちの体に必須な不飽和脂肪酸です。血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させます。サプリメントでも販売されておりますが、医院で処方される者は含有量が多く、動脈硬化予防の治療薬として処方します。

イコサペントサンエチル:エパデール、ロトリガ

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
小腸壁細胞に存在するタンパク質を阻害する事により、コレステロールの吸収を選択的に阻害するお薬です。代表的なお薬に小腸トランスポーター阻害薬であるエゼチミブがあります。

エゼチミブ:ゼチーア

糖尿病

糖尿病は血糖値が正常よりも高くなる病気です。糖尿病では、糖尿病でない人より脳梗塞の発症が2−4倍増加します。これは、インスリン抵抗性による高血圧症や過食による脂質代謝異常症を進行させ、この三者が動脈硬化を促進させてしまうからです。

糖尿病は放置しておくと糖尿病性腎症(人工透析の原因の第一位)、目の網膜の出血により失明へと進展する糖尿病性網膜症、手足の痺れや下痢便秘、顔の麻痺など多彩な全身の神経障害を引き起こす末梢神経障害といった「3大合併症」に加え、脳梗塞は糖尿病の「第4の合併症」と考えられます。

糖尿病がなぜ起こるのか?これは言い換えると、なぜ血液中の血糖が慢性的に高くなるのか(高血糖になるのか)?という事を理解する必要があります。さらに言い換えると、血糖値をコントロールしている主役は誰だという事になります。血糖をコントロールする重要な役割はインスリンという膵臓から分泌されるホルモンによって担われます。

食事を取ると食物は分解されブドウ糖となって血管(門脈といって消化された成分を肝臓へと送る港の様なもの)の中に吸収されます。ブドウ糖が吸収されるとその門脈の周りにある膵臓よりインスリンが分泌され、インスリンがブドウ糖と共に細胞へと運ばれます。しかし、インスリンが少なくなったり、インスリンの反応が鈍くなると、ブドウ糖を細胞へ取り込むことができなくなり(血管の中から血管の外にある細胞へブドウ糖を送ることができなくなり)、溢れたブドウ糖が血管の中に溜まってしまう事になります。その結果、血糖値が高くなってしまいます。
インスリンの働きが悪くなる原因は、「インスリンの分泌が悪くなる」「インスリンの作用が弱くなる」の2パターンです。成人になり発症する2型糖尿病は主に後者のインスリンの作用が弱くなる事によるインスリン抵抗性が原因となります。インスリン抵抗性は肥満に伴う内臓脂肪の増加や運不動不足による筋肉の減少により引き起こされます。またストレスや糖尿病の家族歴(血縁者に糖尿病の人がいる)なども危険因子となっています。
HbA1c(ヘモグロビンA1c)
血糖値が高くなるとブドウ糖が赤血球中のヘモグロビンと結合します。これがヘモグロビンA1cと呼ばれるもので、血糖値が高い状態が続くほどHbA1cの値も高くなります。赤血球の寿命は120日ですので、一旦ヘモグロビンに糖が結合すると赤血球の寿命が尽きるまで元に戻りません。
血糖値はずっと変動し続けますが、HbA1cは過去1-2ヶ月の平均血糖値を反映します。そのため当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けないため、糖尿病コントロールの指標として用いられます。HbA1cは糖の結合したヘモグロビン値が全体のヘモグロビン値に占める割合で算出されます。
糖尿病は症状や血糖値、HbA1cを総合的に見て判断します。脳梗塞や心筋梗塞などの合併症を回避するためにはHbA1cの値を7.0以下(高齢者は7.0程度)でのコントロールを目標とします。W

心房細動

高齢化社会と共に心房細動という病気が増えています。心房細動とは不整脈の一つで、心房が小刻みに動き、痙攣する様な病状を言います。2030年には患者数が100万人を突破するとまで言われています。心房細動はそれ自体が致死的不整脈という訳ではありませんが、「頻脈により心臓の機能が低下してしまうこと」「血の塊(血栓)ができやすくなってしまうこと」という注意点があります。特に脳梗塞に関係するのは後者です。

心房内の血液の流れが悪くなり(血液が淀むため)、血栓ができやすくなります。その血栓が脳の血管へ飛んでいき、血管に詰まることにより脳への血流が途絶え、脳細胞は死滅し脳梗塞となります。心臓から大きな血栓が飛んでいくため、比較的太い脳血管を閉塞させてしまう特徴があり、それゆえ脳梗塞に陥る範囲も広くなり重症化してしまいます。

心臓内で血栓ができるのはフィブリンという物質の働きが主体となるため、血管の動脈硬化に由来する脳梗塞の予防薬とは異なる特殊なお薬が必要となります。

心房細動を有する患者さんが脳梗塞予防のために内服するお薬は「抗凝固薬」というものです。一番有名なのがワーファリン(一般名ワルファリン)というお薬で1954年に医薬品として開発されてから長い間、唯一の治療薬でした。「血液サラサラのお薬を飲んでいる人は納豆が食べられない」と言われ続けているのは、実はワーファリンの事を指しているのです。血液を固めるために重要な働きをしている成分はビタミンKを必要とします。ワーファリンはこのビタミンKの働きを抑える事により血栓形成を予防するお薬です。そのためビタミンKを含む納豆や緑色野菜、海藻類などはワーファリンの効果を弱めてしまうため食べることを禁じられておりました。また、血液のサラサラ度を定期的に採血で測定する必要があり、内服する量を微調整する必要がありました。

しかし、2011年に新規抗凝固薬であるプラザキサ(一般名ダビガトラン)が登場して以来、イグザレルト(一般名リバーロキサバン)、エリキュース(一般名アピキサバン)、リクシアナ(一般名エドキサバン)が加わり、現在はワーファリンを含め下の図の様な5種類の抗凝固薬から患者さんに一番適した薬を選択しています。