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MRI装置による磁場と吸着
2024.10.19かねなか脳神経外科、画像診断部の診療放射線技師のiです。
本日はMRI装置による“磁場と吸着”をテーマにお話しさせていただきます。
MRI装置は、磁場と電波を使って体内の様子を詳細に映し出す医療機器です。脳や脊髄、内臓などの検査に広く利用されています。
MRI装置は常に強力な磁場を発生させており、撮影していない時でも金属を引き寄せる力があります。引き寄せる力は非常に強く、患者様自身や周囲の人が怪我をする事故が発生することがあります。
日本画像医療システム工業会(JIRA)の報告によると、日本国内の吸着事故の全体件数は2011年をピーク(約220件)に、その後減少傾向となり、2021年は約120件程度まで減少しましたが、2023年は前年より若干増加し約140件になったとのことです。また、近年でも海外の病院で、検査中に酸素ボンベが吸引され死亡事故が発生したとの報道がありました。
そのため、検査前に金属類や磁性を帯びた物品はすべてお外しください。
アクセサリーやヘアピン、コルセット、カイロなど持ち込まぬようにしていただき、またスマートフォン、時計、補聴器などの電子機器は磁場により破損する恐れがあります。入室前に持ち込みがないか今一度ご確認ください。
安全な検査のためご協力をよろしくお願い申し上げます。
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