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MRI検査の血管撮影について
2024.11.23画像診断部のKです。
今日は「血管のMRI検査」についてお話しします。体内の血管の見ようとした場合、CTでは造影剤を使わないと見えません。
造影剤を入れるには、点滴と同じように静脈に注射するため侵襲的であり、血管からの漏れや副作用の心配もあります。しかしMRIでは造影剤を使わないで血管を見る事ができます(非造影MRA:MR angiography)。
注射もしないため漏れや副作用の心配もなく、被曝もないため、たとえば動脈瘤の定期検査などに向いています。
ちなみに頭部では主にtime of flight法という方法が用いられます。ではなぜMRIでは造影剤なしで血管が見えるのでしょうか?
それは止まってる組織(脳など)と、動いている組織(血液)の差(コントラスト)を利用しているからです。
MRIでは同じ組織をごく短い時間で撮影しようとすると、画像の濃度(信号)が低下します。
それにより脳などの組織は信号が低下し、黒く写ります。しかし血液はその外から流れこんでくるため、信号は低下しておらず白く写ります。
その結果、その両者のコントラストが大きくなり、血管だけの撮影が可能となりるわけです。ごく簡単に説明しましたが、今回の方法は造影剤が必要ないのメリットがあるものの、1番のデメリットは一般的に時間がかかる事です。
しかし当院では短時間撮影を導入することで、負担を軽減しています。もちろん画質も重要なため、トレードオフになりがちな短時間と高画質の両立にこれからも取り組んでいきたいと思います。
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