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子供(小児)の片頭痛
2021.07.14こんばんは。院長のKです。
最近、外来によく来られる小児の頭痛。外来に受診する小児患者さんの中の殆どが片頭痛と言えます。
片頭痛は小児あるいは思春期で最も多い頭痛の一つで、小中学生の4.8~17.2%(成人の場合8.4%)が片頭痛だという報告が有るのです。片頭痛の方の多くは、10才前後から始まりますが、4~5歳から始まる場合もあります。日本人の片頭痛の半数以上は20歳以前に発病し、なんと、3分の1は15歳以下と言われています。
世界の疫学調査によると、片頭痛の頻度は3~7歳で1.2~3.2%、7~11歳で4~11%、15歳で8~23%です(2009年Neurol Clin)。学童の10人に1人は片頭痛の経験を持つという数値もあります(英国Migraine Action Association)。なお、子供の時、乗り物酔いしやすかった方が、その後、片頭痛にかかりやすいことが分かっています。
小児の片頭痛は、成人と比べて痛みの持続時間が短い(1時間〜数時間、長くても1日程度)ほか、頭の両側、特に前頭部に感じることが多く、頭痛以外の症状(顔面蒼白、嘔吐、腹部症状など)が目立つことも特徴です。腹痛でも片頭痛!!驚きですよね?
朝になって急に頭痛が起こって学校を休まざるを得ないことも多いのですが、短時間で回復したりしますので、登校拒否など仮病やさぼりと誤解されることがあります。慢性連日性頭痛により生活に支障が出る場合もあり、多くは片頭痛や緊張性頭痛であることが特徴です。一方で心理的社会的要因も関与していることも多く不登校につながります。朝に頭痛が多い起立性調整障害を伴う頭痛や午後に頭痛が多くなる脳脊髄液減少症の頭痛などがあります。また、てんかん性頭痛と言って、頭痛が発作として出てしまう、てんかんも鑑別に上がります。
良い子ほど多く、ストレスが引き金となっており、学校や家庭での心の葛藤を言語化できれば頭痛は軽減します。
子どもの片頭痛に対しては、アセトアミノフェンとイブプロフェンが有効かつ安全な薬剤とされています。また、片頭痛予防薬としては、抗ヒスタミン剤や抗うつ剤などを用います。
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