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片頭痛 急性期治療薬 レイボー
2022.06.09こんばんは。
院長のKです。
この季節、片頭痛患者さんが激増してます。
そんな中、本日お待たせしました、レイボーの発売日です。当院でもお2人の患者さんへ処方しました。1人は長年片頭痛にてトリプタンを使用していた方。ご自身からレイボーを指定されました。よくご存知ですね⁉︎と伺うと、すでにご自身のいつも行く調剤薬局にまでレイボーの処方箋持ってくるからとお話し済みだとか。トリプタンのタイミングに苦慮されていた方なので、効果があると良いですね。次回診察でヒアリングします。
本日発売のお薬は内服薬です。注射では有りません。痛くなる時に飲む急性期治療薬であり、事前に痛みを抑制させる予防薬とは異なります。
レイボー®︎は一般名がラスミジタンコハク酸塩で、商品名としてレイボー錠50mg、同錠100mgの2種類が有ります。通常の用法用量は「1回100mgを片頭痛発作時に経口投与します。
化学的な話では、今までのトリプタン製剤がセロトニン1B、1D(5-HT1B/1D)受容体に選択的に作用し、CGRPの発現を抑えてましたが、飲むタイミングを間違えると(早すぎても遅すぎても)、結局無効な事が多く内服の難しさがありました。それゆえ片頭痛で苦しむ患者さんが減りませんでした。また、効かない(タイミングの問題だけなのに)と思い何回も間違って内服する事で薬物乱用性頭痛を招き、慢性化してしまうという泥沼化に陥ってしまっているのが現状なのです。
そして、これらトリプタン製剤は血管収縮作用がある為、脳心血管疾患の既往を有する患者には安全性の懸念から投与できない場合もあり使いにくい一面もありました。
今回発売されるラスミジタンコハク酸のレイボー®︎は、血液–脳関門通過性を有し、5-HT1F受容体に選択的に結合することにより、中枢での疼痛情報の伝達を抑制し、末梢では三叉神経からの神経原性炎症や疼痛伝達に関わるCRGPやグルタミン酸などの放出を抑制することで、片頭痛発作を急速に消失させる作用を示す選択的5-HT1F受容体作動薬です。近年の研究で発現のメカニズムが解明されてきたがゆえに、新たな作用機序のお薬が開発されたといえます。
また、従来のトリプタン製剤と異なり血管収縮作用を示さないことから脳心血管系疾患を有する患者さんにも投与可能なので、使いやすくなると思われます。
薬価は570.90円と従来のトリプタン製剤とほぼ同じです。海外では80.483米$(8692円)ですのでやく1/15であり驚きです。
副作用は1番多いものでめまい感のようです。
新規薬剤に乞うご期待!
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