お問い合わせ・予約受付
03-6382-4880

  • 低髄圧に伴う頭痛

    2022.10.15

    こんばんは。院長のKです。

    中野区医師会頭痛講演会での症例の一つに低髄液圧による頭痛を紹介しました。

    頭の中というのは一定の圧力を保っていて、それを頭蓋内圧と言います。頭蓋内圧は正常では5-10mmHg程度です。頭蓋内圧を構成する要素は、「脳そのもの」「脳血管血液」「髄液」です。何らかの理由で頭蓋内圧が15mmHg以上になることを頭蓋内圧亢進と呼びます。代表的な病気は脳腫瘍、脳出血、脳挫傷、髄膜炎などです。つまり限られた頭蓋骨の中に余計な物が増えると密度が高くなる=頭蓋内圧亢進となります。頭痛、嘔吐を伴います。

    一方で、頭蓋内圧が正常よりも低下する病態を特発性低頭蓋内圧症候群と呼びます。その代表が髄液の漏れがあり、髄液が少なくなってしまうことで生じます。

    症状は、寝ると楽だが、座る、立つにてゴーっとする雷鳴頭痛を生じます。音が過敏になります。

    交通事故以外にスポーツ外傷、転倒・転落、出産などもこの疾患の原因となると考えられています。また慢性疲労症候群、線維筋痛症、小児の不登校(起立性障害などによる)との関わりも指摘されており、稀な疾患ではないと言われるようになりました。

    下記は40代女性で、実際に当院で診断・加療した患者さんです。

    他院で緊張型頭痛と言われ、動く事とマッサージを指示されてました。良くならず当院に来院。画像を見ると低髄圧による頭痛が一目瞭然でした。

    脳が沈み、骨とのスペースができます(黄色矢印)。また脳脊髄液を作る脳室が狭くなってしまい(スリット化)、髄液が漏れている事を示唆します。ブラッドパッチなどが手術療法で言われますが、私の経験的に皆一定の安静で自然回復しています。

     

    赤丸枠内の膨らみが完治後には認めます。

カレンダー

2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

最新の記事

アーカイブ

ページトップへ