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エムガルティ 誕生1周年!
2022.04.26お誕生日おめでとうございます。
院長のKです。
4/26私の誕生日では有りません、抗CGRP製剤として初の国内販売されたエムガルティ(ガルカネズマブ)の1歳の誕生日です。
本日、1年間使用した患者さんが来院されました。お互い、誕生日おめでとうと祝福しました。患者さんは内服での予防に満足を得られず、このCGRP製剤を待ちに待って使用開始しました。1回目から4回目は別医院で行い、引越しとともに当院で5回目から引き継ぎました。頭痛が月に12回、そのうち寝込む、嘔吐する頭痛は月に3回ないし4回有りトリプタン製剤を何錠も内服していました。市販薬を複数組み合わせ、もうそれはそれはや薬物乱用頭痛状態でした。でも、それだけ苦しかったわけです。生活支障度も半端なく高い。
エムガルティを注射してから、頭痛はほとんど無くなりました。予防薬はもちろん鎮痛剤やトリプタン製剤を飲むことは無くなりました。頭痛のことを考える生活から解放されたのです。本人曰く、「別世界で生きる私」とのことです。
エムガルティ、アジョビ、アイモビークは片頭痛のメカニズムそのものをシャットダウンする予防法です。
ミグシスやデパケン、トリプタノールやインデラルなどの予防内服薬は、片頭痛のメカニズムを予防するものではありません。片頭痛のメカニズムは作動しますが、痛みが来ないように予防を行うものなのです。そのためすり抜けて出てくる頭痛が多くなってしまうのです。
エムガルティ、アジョビ、アイモビークは全て同じ作用機序ではなく、エムガルティ、アジョビは痛み物質の元となるカルシトニン遺伝子関連タンパク(CGRP)を中和するワクチンみたいなイメージ、アイモビークはカルシトニン遺伝子関連タンパク(CGRP)がくっつくレセプターに蓋をするという作用機序があります。中和が良いか、蓋をしてしまう事が良いか?もう少しで実績報告が揃いだすと思われます。
片頭痛の患者さんは発作時にカルシトニン遺伝子関連タンパク(CGRP)が急速に増量する事が判明しています(下図)。そこに着目して製造化されたのがこれら抗CGRP製剤です。
長い長い片頭痛治療のトンネルからようやく抜け出した、確実性の高い画期的な治療法です。
本日も当院で7名の患者さん(新規4人)がこの恩恵を受けました。
薬価が高いなどの患者さん視点での課題はありますが(それが全てな気がしますが、、)、大きな変革をもたらしたエムガルティの1周年記念に大きな祝杯をあげたいと思います(思いながらワインを飲んでます。すみません)。
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