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大阪出張記
2025.02.09こんばんは、院長のKです。
週末は診療所を留守にして申し訳有りません(患者さんにも、代診医にも)。
大阪に有ります、富永病院へ行ってまいりました。脳神経外科では脳卒中の最難関である脳動静脈奇形(AVM)のメッカ、日本一である事は有名なのです。
今回お邪魔したのは、脳神経外科では無く脳神経内科。頭痛外来の見学と、研究会の座長の役割がありそのために大阪に出張しました。
富永病院は頭痛外来では知らない医師はいない有名な頭痛外来です。当院も相当数の頭痛患者さんがおりますが、富永病院と何が違うのか?足りないところはどこなのか?といろんな視点から見学させて貰いました。外来見学は学生時代の実習以来であり非常に新鮮(実際に奈良県立医大の学生も見学してました)でした。
頭痛外来で患者さんに提供できている事は概ね当院も劣らないかなというのが第一印象ですが、やはり富永病院では日本に認可されていない治験を多くされているため、この先近未来で使える様になる薬剤がいくつか有りました。片頭痛の最強武器である現行の抗CGRP注射製剤、これは片頭痛メカニズムであるCGRPタンパク質とその受け皿である受容体に作用する訳ですが、当院でもたくさんの患者さんを診てますと、確かにごくごく僅かに注射が効かない患者さんがいらっしゃいます。それらの患者さんの片頭痛はCGRPではなくpituitary adenylate cyclase-activating peptide 38 (PACAP38)が関与しているのでは無いかという報告のもと、それに対する新たな注射製剤の治験を行っているところです。
https://www.jhsnet.net/zutu_topics_71.html
(ご参考までに論文の解説です)
また、注射ではなく経口内服薬でCGRP受容体に拮抗的な薬剤であるゲパントと名付けられた薬があります。これも今治験中ですが、非常に結果は良好なようで近未来に発売される可能性が高い薬剤です。海外では群発頭痛にも有効、片頭痛では頭痛発作時も完結期予防にも有効です。
夜の研究会では、頭痛学会代表理事の竹島多賀夫医師による講演「令和の片頭痛診療」の座長を務めさせて頂きました。
翌日は始発で診療所に戻り、患者さんを診療したのち、またまた大規模講演会の座長、ディスカッション進行と、ようやくヘロヘロになって本日日曜日を迎えました。
とにかく、常に止まらず、最先端を中野で提供したい。そういう気持ちで頭痛外来をしています。
頭痛に悩む患者さんを1人でも多く救うべく、時に診療を留守にして勉強しているのです。
神田駅前に東京頭痛脳神経クリニックがスタートしました。ここは当院のスタッフが運営しています。中野と同じ様に頭痛診療の最先端を提供して参ります。アクセス良い方はご受診ください、
https://www.tokyo-headache-neurosurgery-clinic.tokyo/
代表理事の竹島先生と共に。
ところ変わって、翌日は目黒の雅叙園にて大規模講演会。えびな脳神経クリニックの岩田医師、だいだいクリニックの鈴木看護師と石井院長。
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