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小児・思春期の頭痛
2023.01.26こんばんは。院長のKです。先日、中野区の中野東中学校にて頭痛の講義を任され、教職員及び保護者の方へ「小児・思春期の頭痛」についてお話しする機会を得ました。
中野東中学校は当院のある新中野駅から新宿方面へ1kmほど行ったところにあり、青梅街道と山手通りの交差点からほどなくの場所に有ります。とっても綺麗な新しい校舎でした。
頭痛外来を実際にやっていて、小児・思春期の頭痛は奥も深く、非常に難しい分野です。
子供で一番多い身体の不調は「頭痛」です。大人は「腰痛」です。
小児頭痛で多いのが、「片頭痛」「緊張生頭痛」「起立調節障害に伴う頭痛」が主たるものです。
そのほかに、一番治療に難渋するのが慢性連日性頭痛。慢性連日性頭痛は、1日4時間以上、1ヶ月に15日以上が3ヶ月間持続と定義されます。
これはしばしば不登校に関連しており、不登校→引きこもりへと進展しかねない病態で、なんとか早く手を打つ必要があります。
「お薬が効かない頭痛がある」「いつかは拭けだせれる頭痛」という認識を本人も家族も持つことが治療の第一歩になります。
一般的な片頭痛も、病態は大人と同じ頭痛でも、小児が成長と発達をしている事により、大人と異なる加療が必要となります。非薬物療法、認知行動療法などを取り入れます。予防薬も子供独自のものから大人と同様のものを少量使ったりと年齢や体重によりオーダーメード内服します。
当院では中学1年性から高校1年生の学年の受診が最も多く、ちょうど思春期になり自我の確立、不安定性が一番出ている時期を象徴しています。
小児・思春期の頭痛には片頭痛の様にお薬がある程度功を奏するものから、鎮痛剤が効かず不登校になっている頭痛まで様々です。
今回の講演では小児でも油断ならない二次性頭痛を数例紹介しました。脳腫瘍やくも膜下出血、椎骨動脈解離などです。またこの時期にも多くなってきましたが副鼻腔炎に伴う頭痛も鑑別で重要です。
笑顔になれる様に、頭痛を軽減すべく、サポートしていきます。
中野東中学校
当院の受診学年
片頭痛を知ってもらう事が重要。窓の近くの光が強い席を避けてもらいましょう。
ゲーム、タブレットの光は頭痛を誘発します。
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