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  • 季節の変わり目には頭痛が付きもの

    2025.03.09

    こんばんは。院長のkです。寒さと暖かさを繰り返しており、春の訪れを感じウキウキしますが、頭痛界隈では非常に嫌な季節です。群発頭痛と花粉症に伴う副鼻腔炎の頭痛がすごく増えてきます。
    特に群発頭痛は季節の変わり目になると非常に増えてきます。当院でも毎日数人の群発頭痛の患者さんが受診する様になりました。私はこの状況で春を感じています。また、花粉症が本格化し、副鼻腔炎も増えました。急性副鼻腔炎に伴う頭痛も出てきました。また、花粉症は片頭痛の誘発因子、かつ、花粉症の薬は群発頭痛の誘発因子です!頭痛には最悪な季節なのです。

    片頭痛は抗CGRP関連抗体製剤の出現により飛躍的に頭痛の改善をもたらせました。三叉神経ー血管説が有力と考えられ、そこをターゲットとする治療薬が登場したのです。エムガルティ、アジョビ、アイモビーグです。

    一方で、群発頭痛と言ってメカニズムもあまり解明されておらず、治療にも難渋、難渋というか治療はあれど患者さんは苦しむという頭痛があります。帯状疱疹が関与しているという説が有力であり、目の奥にある海綿静脈洞という静脈のプールしている部分の炎症が絡んでいるのではないかと思われます。ステロイドが効くのもこれら感染と炎症が由来だからでしょうか、、。

     

    誘発因子はアルコール、寝不足、過度な運動、長風呂、サウナ、花粉症薬などです。

    私が学生の頃は群発頭痛は7つの1と覚える様にしなさいと記憶しています。7つの1とは、「1年に1回、1ヶ月間、1日に1回1時間続程度1側の目が痛む」ということです。

    しかし、実際の国際頭痛分類第3版(CHD-3)によると、

    ①厳密に重度の一側性頭痛発 作が眼窩部、眼窩上部、側頭部のいずれか1つ以上の部位に発現、

    ②15~180分間持続、

    ③発作 頻度は1回/2日~8回/日、

    ④普通は頭痛と同側の結膜充血、流涙、鼻閉、鼻漏、前額部および 顔面の発汗、縮瞳、眼瞼下垂および・または眼瞼浮腫および・または落ち着きのなさや興奮した様子を伴うと定義されています。

    決して7つの1じゃないですね。

    男女比は男性:女性が3:1と男性に3倍多いです。20−40代で発症することが多いです。しかし、女性の群発頭痛は重症な表現型であるとも言われています。それは持続時間が長く夜間発作が多いということです。群発期に飲酒をすると頭痛発作が誘発されやすいといわれているので、群発期にはアルコールは禁物です。

    日本では保険診療に、群発頭痛の急性期治療(頓挫療法)として酸素投与とスマトリプ タン皮下注が認められています。100%酸素を7L を15分吸入することで痛みは消失します。一番効果的な治療と思われます。発作期だけでも自宅に酸素ボンベを置くことをお勧めします(医療機関でオーダーできます)

    反復性群発頭痛の予防療法としてはベラパミルと副腎皮質ステロイドの有効性が示されており、当院でも処方はいるものの効果はいまいちであり、なかなか実感できないのが現状です。

    時に適応外使用ですが抗CGRP関連抗体製剤が効く例もありました。あくまでも適応外使用です!

    しかしもともと海外では適応が通ってますし(容量が違いますが、、)、近い将来発売されるであろう片頭痛の治療薬として日本でも治験されていた内服薬のゲパントというお薬(CGRP受容体拮抗薬)は、海外では群発頭痛に内服使用している事より、合点がいきます。

    とにかく、死にたいと訴えたくなるほどの頭痛が出ます。なんとか手助けしてあげたい一心です。

    同級生が描いてくれた群発頭痛のシェーマ。

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