

-
痛たましい事故
2021.09.15こんばんは。院長のKです。
先日、皆さんもニュースでご存知の事と思いますが、私の家の近くである千代田区でタクシー事故が発生しました。運転手さんを含め区民も巻き添いとなり2人死亡、4人が重軽傷を負った事故です。
その後の調査で、運転手さんは「くも膜下出血」を直前に併発し、最後の力を振り絞ってSOS発信しましたが、おそらくそのまま意識を失いアクセルが踏まれて暴走したものと思われます。
お母様のインタビューで、出社する時にはいつも通りだったと言う事ですが、正に脳卒中の怖いところであり、直前までは100%正常であり、突如として卒る(あたる)のです。
しかし、脳梗塞や高血圧性脳内出血と異なり、くも膜下出血は、事前に防げる病気(脳卒中)でも有ります。なぜならば!脳動脈瘤が無ければ、普通は起きないからです。94%は脳動脈瘤という脳血管の膨れたポーチみたいなできものに由来します。脳動脈瘤は100人に1人の割合で保有してますので人事では無いのです。逆に脳動脈瘤が無ければくも膜下出血にはならないのです!!なるとしたら、特殊な血管奇形か血管解離(裂ける)くらいで、非常に稀です。
脳動脈瘤は脳の検査にてすぐ分かります。MRI検査(MRA)にて分かります。そして、脳梗塞や脳内出血が加齢に準ずる脳動脈硬化が原因なのに対し、くも膜下出血だけは動脈瘤の有るか無いかですので、例えば20代の若い人でも起こるのです。
当院でも頭痛外来に来院される患者様には、ご本人の検査希望が無い方以外はMRIの検査をお勧めしてます。頭痛の方の脳動脈瘤の保有率も多い事や、頭痛外来を機に脳の状態を本人がしっかりと把握してもらう事が理由です。採血やレントゲン、極端な話、胃カメラなどは毎年やっている人でも、脳の検査は一度もされた事がない方が多いのです。
今回の事故でも、運転手さんが事前に脳の検査を行なっていた場合、おそらくは脳動脈瘤、それもまもなく破裂しそうな動脈瘤が事前に見つかったと思われます。そして事前に予防治療ができたはずです。くも膜下出血はシステマチックに予防ができる病気です。
脳の検査をされた事ない方は、一度は検査をお勧めします。
犠牲となられた被害者の方や、運転手さんに心よりご冥福をお祈りいたします。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/130620
脳動脈瘤(下に出っ張っているところ)
くも膜下出血(向かって右の白いところ)
最新の記事
- 2025年03月29日
4月から新たに脳神経外科医師が加わります - 2025年03月29日
CTの簡単な歴史? - 2025年03月24日
転倒を予防して、いつまでも元気に - 2025年03月09日
季節の変わり目には頭痛が付きもの - 2025年03月07日
脳ドックについて