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2022.10.09
こんばんは。院長のKです。最近は小児思春期の頭痛が非常に多く、苦労の日々が続いてます。先日は北海道から当院を頼って来院されました。
思春期。体は立派、心は未熟。
そのギャップに頭痛が生じます。
片頭痛ならば簡単。片頭痛に似てる思春期頭痛。これが大変なのです。
中野区医師会にて講演しました。座長(三五医院院長 三五美和先生)が私の講演内容を纏めてくれました!
<小児、思春期の頭痛について>
小学生の有病率は男子4%、女子3%と男児にやや多いが、中高生になると女児の割合が増え、高校生男子の13%、女子の17%に片頭痛を認める。成長・発達段階であること、症状を言語で表出することが困難、薬物以外のアプローチが必要となることが多いなど、成人とは違った特徴がある。また片頭痛の他に慢性連日性頭痛、社会生活不適応、起立性調節障害なども多く認める。小児・思春期の片頭痛は突然発症し短時間で消失することが多い。性質は拍動性というよりは締め付けられるような痛みで、季節は春、平日に多く、嘔吐・下痢などの消化器症状を伴う。ブルーライト、人混み、乗り物、誘発する匂い、日光などを避ける、三食をしっかり食べ空腹を避ける、寝不足や寝すぎを避ける、などの非薬物療法が重要となる。担任・学校医と連携を取り、窓際の席を避けるなど予防策を検討する。短時間で消失するため薬物は不要な場合も多いが、発作時にはイブプロフェン(ブルフェン®)、アセトアミノフェン(カロナール®)を使用し、予防薬としてアミトリプチリン(トリプタノール®)ロメリジン(ミグシス®)を用いるがリボフラビン、メラトニン、コエンザイムQ10、ペリアクチン®なども時に使用する。小児・思春期の頭痛は成人以上に問診が重要となる。1日4時間以上の頭痛が月に15日以上ある状態が3か月以上続いた場合は、慢性連日性頭痛と診断する。片頭痛単独であれば頭痛が軽快すれば遅刻してでも登校することが多いが、慢性連日性頭痛は平日に頭痛をきたし昼に改善しても登校できず、不登校となる場合がある。思春期に自己評価が下がったことを契機に出現する頭痛は、身体表現性障害として最も頻繁な症状の一つである。スマホ過剰使用による緊張性頭痛や起立性調節障害を伴うことも多い。頭痛ダイアリーを記載し、どのような状況で頭痛がおこるのかを自己認識する「行動療法」や、保護者へ子供のつらい状況を理解してもらい、担任・学校医と連携して子供へのサポート体制を構築する「支持的精神療法」が必要となる。
今回の講演で特に印象的だったのは「思春期は体が大人でも心は蛹、今の苦しい状況はいつか乗り越えられる、頭痛を通じて子供のサポート体制が構築できる」ということを本人・家族に説明するという金中先生のご発言だった。専門医や学校医が力を合わせて小児・思春期の頭痛に取り組んでいくことの重要性を切に感じた。
(文責:三五医院 三五美和)
一部スライドです
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